エステ・脱毛サロンの広告で、
よく引っかかる言い方5つ

「永久脱毛」と書けない理由は、大げさな広告だからではありません。国の通知が「毛乳頭を破壊する行為」を、医師にしかできない行為だと書いているからです。つまり売り文句を1行足したせいで、お店が営業できている土台のほうが崩れます。原文から説明します。

出典は法律の条文、厚生労働省の通知(平成13年11月8日/令和7年8月15日)、消費者庁の措置命令と考え方です。ページの最後に原文のURLをそのまま置いています。
明るいサロンの受付カウンターで、料金メニューの紙とタブレットを前に、ペンを持って書き直しを検討している手元。見出しは「永久脱毛」と書けない理由は、広告ではありません/エステ・脱毛サロン/医師法と2025年8月の通知を、原文から
この記事の内容は、医師法の条文と、厚生労働省の2つの通知(平成13年11月8日 医政医発第105号/令和7年8月15日 医政発0815第21号)、消費者庁の考え方にあたって書いています。
この記事の立ち位置
この記事は、医師法の条文と厚生労働省の2つの通知(平成13年11月8日/令和7年8月15日)、景品表示法・特定商取引法・薬機法の条文、消費者庁の考え方と直近の措置命令にあたって書いています。

同じシリーズに 接骨院・整骨院・鍼灸院の回整体・カイロ・リラクゼーションの回歯科医院・美容クリニックの回があります。医師のいる医療脱毛は根拠になる法律が別です(そちらは歯科・美容クリニックの回へ)。迷う場合は 業種別ガイドの一覧 から選べます。
読んだあとの点検には 店内チェックシート10項目(印刷できます) をどうぞ。

この記事の中身
  1. まず「うちはどれか」を確かめる(3つに分かれます)
  2. いちばん誤解が多い1点:「永久脱毛」は広告の問題ではなく、医師法の問題
  3. よく引っかかる言い方5つ(言い換え付き)
  4. コース・回数券を売っているお店は、ここだけ先に読んでください
  5. 削るだけで終わらせない。書くと選ばれる3つ
  6. この記事にできないこと(正直に書きます)
  7. 出典(すべて一次情報)

最初に、いちばん大事なこと

エステ・脱毛サロンの広告でいちばん多い勘違いは、「どこまで盛ってよいか」という問題だと思ってしまうことです。
実際にはもう一段前に、「その言葉を書いた時点で、自分がどの法律の対象になるか」という問題があります。

「永久脱毛」と書けば医師法の側へ、「シミが消える」と書けば効果の裏づけを求められる側へ、「痩身12回コース55,000円」と書けば契約のルールが1セット増える側へ、自分から入っていきます。禁止ワードを暗記するより、この構造を1回つかむほうが早く、あとで自分の身を守ります。

1. まず「うちはどれか」を確かめる

同じ「きれいになるお店」でも、免許のある人がやっているかどうかで、かかる法律がまったく違います。ここを間違えると、あとの話が全部ずれます。

お店の種類資格広告で軸になる法律
美容皮膚科・美容外科などの医療機関(医療脱毛・注入・レーザー治療) 医師・看護師 医療法の広告規制と医療広告ガイドライン。体験談は原則禁止、術前術後の写真にも条件があります。この記事の対象ではありません。
エステサロン・脱毛サロン・痩身サロン・フェイシャルサロン(光脱毛/フラッシュ脱毛・痩身・美肌) 国家資格はありません(民間の認定はあります) この記事の対象です。医師法第17条・景品表示法・特定商取引法・薬機法
整体院・カイロ・リラクゼーション・もみほぐし 国家資格はありません あはき法第12条ほか(→ こちらの記事

注意したいのは、まん中と一番上をまたいでいるお店です。「提携クリニックあり」「医療脱毛も選べます」と書いているサロンは、書き方によって医療機関の広告のルールまで一緒にかぶります。この記事の5つに加えて、医療広告ガイドラインの確認が要ります。

2. いちばん誤解が多い1点

「永久脱毛と書いてはいけない」——これは知っている方が多いです。ただ、理由を「大げさな広告だから」と覚えていると、言い換えを間違えます。「ほぼ永久」「半永久」「二度と生えてきません」など、意味が同じで表現だけ弱い言葉に逃げてしまうからです。

本当の理由は、こちらです。

厚生労働省医政局医事課長通知「医師免許を有しない者による脱毛行為等の取扱いについて」
(平成13年11月8日 医政医発第105号)


「医師免許を有しない者が行った脱毛行為等が原因となって身体に被害を受けたという事例が報告されており、保健衛生上看過し得ない状況となっている」

——そのうえで、次の行為は医師免許を有しない者が業として行えば医師法第17条に違反するとされています。
(1)「レーザー光線又はその他の強力なエネルギーを有する光線を毛根部分に照射し、毛乳頭、皮脂腺開口部等を破壊する行為」
(2)「針先に色素を付けながら、皮膚の表面に墨等の色素を入れる行為」(入れ墨・アートメイク)
(3)「酸等の化学薬品を皮膚に塗布して、しわ、しみ等に対して表皮剥離を行う行為」(ケミカルピーリング)

ここから、実務で効く結論が3つ出ます。

  1. サロンの光脱毛が営業できているのは、「毛乳頭を破壊していない」からです。破壊しないから、医師法第17条の話にならない。土台はそこ1点です。
  2. つまり「永久脱毛」「毛根を破壊」「二度と生えません」と書いた瞬間、「うちは医師にしかできない行為をやっています」と自分で説明したことになります。売り文句を1行足したせいで、営業できている土台のほうが崩れる。これが、他のNGワードと決定的に違うところです。
  3. 「ほぼ永久」「半永久的にツルツル」も同じです。読んだ人が「もう生えてこない」と受け取る書き方なら、逃げたことになりません。
「25年前の古い通知でしょう?」——いいえ、いまも生きています。

令和7年8月15日の厚生労働省通知「美容医療に関する取扱いについて」(医政発0815第21号)は、無資格者が業として行えば医師法第17条に違反する行為として、平成13年の医政医発第105号で示した脱毛行為等を、そのまま引いています。2001年の通知が2025年の通知で名指しで維持されている、ということです。

罰則は医師法第31条=3年以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金、またはその両方。医師またはこれに類似した名称を用いていた場合は罰金が200万円以下に上がります(同条第2項)。

3. よく引っかかる言い方5つ

サロンのホームページ・チラシ・ポータルサイトの店舗紹介文で、実際によく見かける順に並べます。それぞれ言い換えの案をコピーできる形で付けています。

1医師法 第17条/厚生労働省 平成13年11月8日 医政医発第105号・令和7年8月15日 医政発0815第21号

「永久脱毛」「二度と生えません」「毛根を破壊します」

引っかかりやすい例:「永久脱毛サロン」「半永久的にツルツル」「毛根から破壊するから生えてこない」「医療脱毛と同じ効果」

2章のとおりです。毛乳頭・皮脂腺開口部を破壊する行為は医師法第17条の対象で、破壊していないことがサロンの土台です。「医療脱毛と同じ効果」も、同じ結果になる=同じ行為をしていると読める書き方なので、同列に危ないと考えてください。店名・メニュー名・ページタイトル・広告の見出し・画像の代替テキスト・地図サービスの店舗説明まで、全部そろえて直します。本文だけ直しても、店名に残っていれば意味がありません。

言い換えの案:「光を使った美容脱毛です(医療脱毛ではありません)」「自己処理がラクになることを目指すお手入れです」「回数の目安:◯回(感じ方には個人差があります)」

出典:医師法 第17条・第31条/厚生労働省 平成13年11月8日 医政医発第105号/同 令和7年8月15日 医政発0815第21号

【言い換え候補】永久脱毛 → 美容脱毛/光脱毛/フラッシュ脱毛 ・× 永久脱毛サロン ・○ 光を使った美容脱毛サロン(医療脱毛ではありません) ・× 半永久的にツルツル/二度と生えません ・○ 自己処理の回数を減らしていくことを目指すお手入れです ・× 毛根を破壊するので生えてきません ・○ 毛の生えかわりに合わせて、期間をあけながら重ねていきます ・× 医療脱毛と同じ効果 ・○ 医療脱毛との違い:出力・回数・痛み・料金を表で比べています ※直す場所:店名/メニュー名/ページタイトル/広告見出し/画像の代替テキスト/地図サービスの店舗説明/ポータルサイトの紹介文

2景品表示法 第5条第1号(優良誤認)/第7条第2項(合理的な根拠の提出)

ビフォーアフター写真・お客さまの声で、効果をうたう

引っかかりやすい例:「3回でこの変化!」(写真2枚)/「98%のお客さまが実感」/「1回で−3cm」/「シミが目立たなくなりました(40代・大阪府)」

効果や性能をうたう表示は、求められたときに合理的な根拠の資料を出せなければ、優良誤認として扱われます(景品表示法 第7条第2項。提出には期限があり、出せない場合は不当表示とみなされます)。
ここで押さえてほしいのは「お客さまの声だから、うちが言っているわけではない」は通らないことです。掲載した時点で、お店の表示です。「効果には個人差があります」を小さく添えても打ち消しにはなりません。大きい文字の言い切りのほうが読まれるからです。
写真は特に強く伝わります。照明・角度・時間帯・むくみで見え方が変わるぶん、「その変化が施術のおかげだ」と示す資料を用意できるかを先に考えてください。

言い換えの案:効果ではなく「やること」と「事実」を書きます。「初回はカウンセリング20分+施術60分です」「◯◯部位は1回あたり約15分、2週間おきに6回が目安です」「使っているのは◯◯社の光美容機器です」

出典:景品表示法 第5条第1号・第7条第2項

【言い換えの型】効果を言い切らず、「やること」と「事実」で書く ・× 3回でこの変化!(ビフォーアフター写真) ・○ 3回目までの流れ:カウンセリング → 部位ごとの照射 → アフターケアのご案内 ・× 98%のお客さまが実感 ・○ ご来店いただいた方のうち、◯年◯月時点で継続してくださっているのは◯人です(数え方も一緒に書く) ・× 1回で−3cm ・○ 施術直後にサイズを測っています。むくみの戻りで数値は変わるため、目安としてご覧ください ・× シミが目立たなくなりました(お客さまの声) ・○ ご感想は「通いやすさ」「対応」「痛みの感じ方」など、効果以外の点をいただいています ※「効果には個人差があります」は打ち消しになりません。本文の言い切りのほうを直します。 ※写真を載せるなら、効果ではなく「施術の様子」「店内」「機器」を。

3景品表示法 第5条第2号(有利誤認)/二重価格表示

「初回100円」「今だけ半額」「通い放題」の条件が、小さく書いてある

引っかかりやすい例:「全身脱毛 初回100円」+小さい字で条件/開店と同時に出した「通常30,000円 → 今だけ9,800円」/ずっと出しっぱなしの「今月末まで」/回数と期間の上限を書かない「通い放題」

いま、この業種でいちばん実際に処分が出ている型です。消費者庁は令和8年3月25日、エステティックサロンの運営事業者3社に対し、景品表示法にもとづく措置命令を行っています(違反の類型は有利誤認=第5条第2号)。
比較のために書く「通常価格」は、実際にその値段で売っていた実績が要ります。消費者庁の考え方では、セール開始からさかのぼる8週間のうちその価格で売っていた期間が過半を占めていることがひとつの目安で、その価格で売った最後の日から2週間以上たっていると「最近相当期間にわたって販売されていた価格」とは認められません。開店と同時に「通常30,000円」と書いたなら、その30,000円は一度も存在していないことになります。
「通い放題」も同じです。予約の取りやすさ・期間・部位・1回に照射できる範囲に上限があるなら、それは「放題」ではありません。

言い換えの案:比較の相手をこれから実際に払う金額にします。「初回のみ 100円(2回目以降は 1回 6,600円です)」。条件は価格と同じ大きさの文字で、同じ画面に置きます。

出典:景品表示法 第5条第2号/消費者庁「不当な価格表示についての景品表示法上の考え方」/消費者庁 令和8年3月25日 措置命令(エステティックサロン運営事業者3社)

【言い換えの型】比較の相手を「これから実際に払う金額」にする ・× 通常30,000円 → 今だけ9,800円 ・○ 初回のみ 9,800円(2回目以降は 1回 6,600円です) ・× 全身脱毛 初回100円 ※諸条件あり ・○ 全身脱毛 初回100円 ・(同じ大きさの文字で続けて書く)お一人さま1回まで/ご新規のみ ・◯月◯日までのご来店分 ・2回目以降は 1回 6,600円(税込) ・剃り残しがある場合のシェービング代 1,100円がかかります ・× 通い放題 ・○ ◯か月間、1か月に◯回まで(部位:◯◯/1回の所要 約◯分) ※条件は価格と同じ大きさの文字で、同じ画面に置きます。別ページの「注意事項」に逃がさない。 ※「地域最安」「大阪No.1」は、調査の時期・範囲・対象店・調査方法を示せないなら書かない。

4薬機法 第66条(誇大広告等の禁止)/景品表示法 第5条第1号

「シミが消える」「バストアップ」「痩せる」——ただし、引っかかる先を間違えやすい

引っかかりやすい例:「シミ・そばかすが消えます」「バストアップコース」「アトピーが改善」「デトックスで毒素を排出」「1回で脂肪が落ちます」

ここは、多くの解説がまとめて「薬機法違反」と書いていますが、正確にはもう少し細かいです。薬機法が広告を規制しているのは医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器で、エステの施術そのものは、薬機法が直接の対象にしているものではありません。
分けるとこうなります。
・お店で売る/使う化粧品や機器の効能をうたう →薬機法(化粧品として認められた効能の範囲を超えると第66条の誇大広告)
施術の効果をうたう →景品表示法(2番と同じ。合理的な根拠が要る)
どちらに転んでも、裏づけを出せない効果は書けないという結論は変わりません。ただ、指摘が来たときにどの法律の話をされているか分かることが、対応の速さを決めます。

言い換えの案:結果ではなく目的と中身を書きます。「乾燥が気になる方に、保湿を目的としたフェイシャルコースです」「使用するのは◯◯(化粧品)です。表示されている効能は『肌にうるおいを与える』です」「サイズは施術直後に測ったものです。一時的な変化で、測る時間帯で数値が変わります

出典:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)第66条/景品表示法 第5条第1号

【言い換えの型】結果ではなく「目的」と「中身」を書く ・× シミ・そばかすが消えます ・○ 乾燥が気になる方に、保湿を目的としたフェイシャルコースです ・× バストアップコース ・○ 胸まわり・肩甲骨まわりをほぐし、姿勢を意識していただくコースです ・× デトックスで毒素を排出 ・○ 温めながら流していく、リンパケアのコースです ・× 1回で脂肪が落ちます ・○ サイズは施術直後に測ったものです。時間帯や体調で数値は変わります ・× アトピーが改善します ・○ 肌トラブルで治療中の方は、担当の先生の指示を優先してください ※化粧品として言える効能には決められた範囲があります。範囲の外の言葉を、商品説明に書かない。 ※「医薬部外品だから大丈夫」ではありません。認められた効能の範囲は商品ごとに違います。

5特定商取引法(特定継続的役務提供)/同 第48条・第49条

「解約・返金は一切できません」「今日ご契約なら◯円」

引っかかりやすい例:「回数券・コースの払い戻しは一切いたしかねます」「有効期限を過ぎた回数は無効です」「本日中のご契約に限り◯万円引き」を、条件の説明なしに書く

エステ・脱毛のコース契約は、1か月を超え、5万円を超えると特定商取引法の「特定継続的役務提供」に当たります。当たると、広告の話ではなく契約そのもののルールが1セット増えます(詳しくは次の4章)。
大事なのは、「返金しません」とホームページや契約書に書いてあっても、法律で決まった中途解約の権利は消えないことです。書いてあること自体が、あとで大きな揉めごとの火種になります。
「今日決めたら安くします」も、その場で決めさせる圧力として見られます。特定商取引法には、顧客の知識や財産の状況に照らして不適当な勧誘をしてはならないという考え方(適合性の原則)もあり、この業種では実際に行政処分の理由になっています。

言い換えの案:途中でやめられます。残っている回数分は、法律で決められた方法で精算してご返金します」「その場で決めていただかなくて大丈夫です。見積もりをお持ち帰りいただけます

出典:特定商取引法 第48条(クーリング・オフ)・第49条(中途解約)/消費者庁「特定継続的役務提供」

【言い換えの型】「返さない」ではなく「返し方」を書く ・× 回数券・コースの払い戻しは一切いたしかねます ・○ 途中でやめられます。残っている回数分は、法律で決められた方法で精算してご返金します ・× 本日中のご契約に限り3万円引き ・○ お見積もりはお持ち帰りいただけます。ご家族と相談されてからで大丈夫です ・× 有効期限を過ぎた分は無効です ・○ 有効期限は◯か月です。期限内に使い切れない見込みのときは、ご相談ください ・○ ご契約前に「概要書面」、ご契約時に「契約書面」をお渡しします ・○ 書面をお受け取りいただいた日から8日以内は、書面またはメール等で解約できます

4. コース・回数券を売っているお店は、ここだけ先に読んでください

特定商取引法の「特定継続的役務提供」に当たると、広告の話ではなく、契約そのもののルールが増えます。知らずに売っていると、あとから全額に近い返金の話になります。まず、当たるかどうかの2条件です。

役務期間金額
エステティック1か月を超える5万円を超える
美容医療1か月を超える5万円を超える
語学教室・家庭教師・学習塾・パソコン教室・結婚相手紹介2か月を超える5万円を超える
「脱毛」は、この表のどこに入るのか。

消費者庁の説明では、エステティックは「人の皮膚を清潔にし若しくは美化し、体型を整え、又は体重を減ずるための施術を行うこと(いわゆる美容医療に該当するものを除く)」と定義されていて、「脱毛」という言葉そのものでは書かれていません。ただし、あわせてクーリング・オフの対象になる「関連商品」として脱毛器が挙げられています。
そのため、脱毛サロンのコース契約は、通常この定義に入ると考えて準備しておくのが安全です。ここは記事で言い切らず、個別の判断は消費生活センターや弁護士へご確認ください、と正直に書いておきます。

当たる場合、増えるルールはこの4つです。

  1. 契約の前に「概要書面」、契約のときに「契約書面」を渡す義務があります。渡していないと、クーリング・オフの期間がそもそも進みません。「もう半年たっているから大丈夫」が通らなくなる、いちばん怖いところです。
  2. クーリング・オフは、法律で決められた書面を受け取った日から数えて8日以内(第48条)。書面または電磁的記録で解除できます。
  3. 中途解約はいつでもできます(第49条)。請求できる上限も決まっていて、エステティックの場合、施術を始める前なら2万円始めた後なら「2万円」か「契約残額の10%」の低いほう+すでに提供したぶんの対価です。「返金なし」と書いていても、この上限は変わりません。
  4. 関連商品も一緒に解除の対象になり得ます。消費者庁が挙げているのは、健康食品・化粧品・石けん・浴用剤・下着類・美顔器・脱毛器です。コースと一緒にホームケア商品を売っているお店は、ここが抜けやすいところです。
経営の判断として、先に知っておいてほしいこと

4.5 実際に処分された事例が、2026年3月にあります

ここまでの話は、一般論ではありません。つい先日、同じ業種で実際に行政処分が出ています。

消費者庁の発表(令和8年3月26日)

エステティックサロンの運営事業者3社に対し、景品表示法に基づく措置命令が出されました(命令は3月25日)。
根拠は景品表示法 第5条第2号(有利誤認)、命令は同法 第7条第1項に基づくものです。

何が問題とされたのか

期限つきのクーポンを、期限が過ぎても同じ条件で出し続けていたことです。

実際に出ていた表示(2例)期限のあと、どうだったか
「有効期限:2024年12月末日まで」と書いたうえで
「24,200円 → 5,500円
期限を過ぎて申し込んでも、
期限内とまったく同じ
割引価格で受けられました
「今だけ70%OFF」「有効期限:2024年12月25日まで」と書いたうえで
「5,000円 → 1,500円

掲載先はホットペッパービューティーのクーポンページです。多くのサロンさんが使っている、あの画面です。

ここが怖いところです。
書いてある価格は本当に提供されていました。嘘の値段ではありません。
それでも処分されたのは、「今だけ」と言いながら、ずっと今だけだったからです。

「期限を切って急がせる」こと自体は問題ありません。問題はその期限を守らないことです。

命じられた内容

今日できる確認は1つだけです。

掲載中のクーポンの「有効期限」を見て、その日を過ぎたあと、同じ内容で出し直していないか。
出し直しているなら、期限を書かないか、期限が来たら本当に終えるか、どちらかにしてください。

「期間限定」を続けたい場合は、内容か価格を実際に変えることです。同じものを同じ値段で出し続けるなら、それは通常価格です。

出典:消費者庁「エステティックサロンの運営事業者3社に対する景品表示法に基づく措置命令について」(令和8年3月26日発表・報道発表資料の原文を確認)
※本記事では事業者名は記載していません。制度の理解に必要な事実のみを扱っています。

5. 削るだけで終わらせない。書くと選ばれる3つ

ここまでは「消す」話でした。消しただけだと、ページはただ薄くなります。この業種でいちばん効くのは、みんなが書いていないことを書くことです。3つあります。

① 医療脱毛との違いを、自分から書く

隠すと「ごまかしている」と思われます。出力・回数の目安・痛みの感じ方・料金・通う期間を表で並べて、「うちは美容脱毛です」と先に言い切る。比べられて負けるのが怖い項目ほど、先に自分で書いたほうが信用されます。

② お金と時間を、全部

コース総額・回数・1回あたり・追加料金(シェービング代、キャンセル料、麻酔や化粧品などの別売り)・支払い方法・途中でやめたときの精算方法まで。「詳しくはお問い合わせください」は、この業種でいちばん多い離脱の理由です。

③ 受けられない方・お願いしたいこと

日焼けの直後、光線過敏症の方、妊娠中の方、特定のお薬を飲んでいる方、ほくろ・タトゥーのある部位、当日の飲酒や激しい運動。断る基準を先に書いてあるお店は、かえって信頼されます。2章で見たとおり、この業種の土台は「安全に行える範囲でやっている」ことそのものです。

そのまま貼って使える下書き(コピーできます)

__の部分をお店の数字に置き換えてください。金額は税込で、追加料金の有無まで書き切るのがコツです。

■ 当店の脱毛について 当店は、光を使った美容脱毛サロンです。医療脱毛(医療機関で行うレーザー脱毛)ではありません。 目指しているのは、自己処理の回数を減らしていくことです。感じ方には個人差があります。 使用機器:____ 1回の所要時間:約__分/通う間隔の目安:__週間おき ■ 施術スタッフについて 氏名: 経歴:(年数・主な研修) 資格:(正式名称/国家資格・民間認定のどちらかを明記) ■ 料金(すべて税込) __コース(全__回):____円(1回あたり ____円) 初回のみ:____円(カウンセリング__分を含みます/お一人さま1回まで) 2回目以降:1回 ____円 追加料金:シェービング代 ____円/キャンセル料(前日まで無料・当日 ____円) お支払い:現金/クレジットカード/分割(回数と手数料:__) ■ 契約と解約について ・ご契約前に「概要書面」、ご契約時に「契約書面」をお渡しします ・書面をお受け取りいただいた日から8日以内は、書面またはメール等で解約できます(クーリング・オフ) ・その後も、途中でやめられます。残っている回数分は、法律で決められた方法で精算してご返金します ・その場でお決めいただかなくて大丈夫です。お見積もりはお持ち帰りいただけます ■ 受けられない方・お願いしたいこと ・日焼けの直後の方、光線過敏症の方はお受けできません ・妊娠中・授乳中の方は、事前にお知らせください ・お薬を飲んでいる方、治療中の方は、担当の先生の指示を優先してください ・ほくろ・タトゥーのある部位は避けて施術します ・施術当日の飲酒、激しい運動、湯船での入浴はお控えください ・体調に不安がある場合は、その場でお申し出ください。途中で中止できます

6. この記事にできないこと

7. 出典(すべて一次情報)

この記事の引用は、次の原文にあたって書いています。孫引きはしていません。

罰則について:医師法第17条に違反すると、第31条により3年以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金、またはその両方(医師またはこれに類似した名称を用いていた場合は、罰金が200万円以下)。景品表示法の措置命令に従わない場合や、課徴金の対象になる場合もあります。実務では、まず消費生活センターへの相談や、保健所・消費者庁からの照会という形で来ることが多いです。

次にやることは、2つだけです

① いまの文章を1回、機械にかけてみる。お店のホームページやチラシの文章を貼るだけで、引っかかりやすい言い方をその場で出す道具を無料で置いています。貼った文章はブラウザの中だけで判定するので、どこにも送られません。会員登録もありません。

広告表現セルフチェックを開く(無料)

② 直したあとに、伝わるページにする。削るだけでは予約は増えません。5章の3つ(医療脱毛との違い・お金と時間の全部・受けられない方)を、迷わず読める形に組み直す。私たちがつくっているのはそこです。

LP制作 スタンダード ¥39,800(税込・修正2回・最短5営業日)/簡易版のライト ¥11,980 もあります。写真がなくてもこちらで用意できます。

料金と制作の流れを見る

同じシリーズは全4本あります。脱毛でも、医療脱毛のクリニックは根拠になる法律が別(医療広告等ガイドライン)です。令和8年3月30日の改正に対応した記事を分けて置いています。

歯科医院・美容クリニック版を読む 接骨院・整骨院・鍼灸院版を読む 整体・カイロ・リラクゼーション版を読む
コピーしました